術後のQOL(Quality of Life 生活の質)

術後のQOL(Quality of Life 生活の質)

乳がんになってしまった場合、どの治療法を選ぶか、どの先生に任せるか、乳房を摘出するのか、また、乳房再建をするのか?

など色々、本当に一つずつ選択していかないといけない訳ですが、情報が多すぎて、どれを選択すれば良いのかなど非常に悩み、また、選択した後も、これでよかったのかと悩み続けていくのかと思います。

40、50年前には、今ほど治療の選択もなく、銭湯に行けば必ず、肩からタオルをかけ、胸に大きな傷がある女性いました。

2013年10月に日本で初めて人工乳房の薬事承認が下り、乳がん手術後の乳房再建という患者の術後のQOLが初めて、治療の一環として認められることとなりました。

日本初の人工乳房承認

国が与える薬事承認というのは、簡単に述べると「治療で使用され、効能、効果がある機器」に与えられるもので、人工乳房のような、失った乳房を再建し、見た目を戻す、良くする目的に使用され、効能、効果を確認することができないものは、保険適用される医療機器とは認められてこなかったのです。

それまで、乳房摘出後の再建には、自身の他の部位の組織を切り取り乳房の形に整え移植するという手術法のみが保険適用されており、この手術法では、身体の他の部位に大きく傷が残る、入院が長引くなど、乳がん手術にて、心と身体に大きくダメージを受けた患者にとって、さらなるダメージを及ぼしてしまうことが指摘されていました。

この人工乳房が、「治療の一環に使用する医療機器」として認められたことは、日本の薬事法上画期的なことでした。

人工乳房に乳がんを治療し、治す効果はありませんが、国が、「術後のQOLに多大な影響を及ぼす乳房に対する女性の切なる想い」にやっと答えてくれた画期的な承認だったと思います。

承認までの道のりは決して平たんではなかったようですが、乳房摘出後、人工乳房にて、保険で乳房を再建できるようになり、何と、70歳を過ぎた女性の方も再建に訪れたという話も聞きました。

その昔、銭湯や温泉で肩からタオルをかけ、大きな傷跡を隠していた女性のひとりです。

 

がん治療の病院選び

乳がんで乳房摘出を与儀なくされた方は、その後の乳房再建も視野に病院を、先生を選んでください。

乳がん摘出は乳腺外科、乳房再建は、形成外科と診療する科が変わります。乳房再建を希望する方は、乳腺外科の先生、形成外科の先生が一緒に乳がん摘出の相談をしてくれる病院を選んでください。

乳房再建というのは、美容的要素も非常に高く、テクニックを要します。人工乳房を入れれば、単純に元通りの左右対称の乳房が出来上がる訳ではありません。

承認された人工乳房は、アメリカの製品であり、サイズや形状が日本人向けでなかったり、元々の乳房とぴったりのサイズがないなど、左右対称にきれいに再建するのは、かなりテクニックを要します。

 

乳房再建

乳房摘出も、以前ブログに書いたがん研究所有明病院は、乳房の上部や下部まで大きく摘出する全国でも摘出面積(体積)が大きい病院のひとつです。

乳房のふくらみの上下にも脂肪がありますが、その脂肪まで取り去られてしますと、自身の脂肪で再建を希望する場合、土台となる脂肪がないので、定着率が悪くなると先生から聞いたことがあります。また、上部まで取られてしまうと、乳房のふくらみは取り戻したけれど、デコルテ部分のへこみが大きく、タンクトップが着れなくなったというのも聞きます。

残念ながら、人工乳房のみの再建で左右バランスよくなるというのは、かなり難しく、柔らかい、左右対称の乳房を取り戻すには、自身の脂肪で補正する必要があります。

自身の脂肪で補正する場合、再建と同時にすると、脂肪注入が保険適用されていないので、自費診療、正確には、混合診療となり、せっかく人工乳房が保険適用されたにも関わらず、自費診療となってしまいます。

対策として、まずは、保険での人工乳房再建、その後、自費での脂肪注入となります。

乳房摘出手術を受けた後に、度重なる手術というのは、精神的、肉体的負担も大きく、また経済的な負担もかかってくるため、人工乳房後の脂肪注入を皆が受けているという状況でもないようです。

乳がんの摘出部位が小さければ、乳がん摘出手術の際、先生が傷口を綴じる際、上手く残った乳房の脂肪をきれいな形に整えてくれます。そうすると見た目は、少し小さくなった乳房というぐらいになるそうです。左右どちらかが大きいというのは、もともとあるので、違和感はそんなにないようです。

がん治療の地域格差

いずれにせよ、医師選びというのは、非常にその後の治療、QOLに大きく関わってくる問題です。

特に、抗がん剤治療を予定されている方などは、がん治療の地域格差なども頭に入れておく必要があるかと思います。

日進月歩で進む抗がん剤。医師の知識と経験にて、副作用の度合いも変わってきます。

地方都市でがん治療、抗がん剤治療を受けて副作用に苦しんだ人が、東京の専門医にかかると副作用がなくなり、とても楽になったということも聞きます。

下記厚生労働省のホームページでがん診療病院を探すことができます。ぜひ、利用してみてください。

がん診療連携拠点病院などを探す:[がん情報サービス]
hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/fTopKyoten

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